7月8日経済産業省大臣官房グローバル経済室長が来訪!
7月8日の夜に19時から経済産業省大臣官房グローバル経済室長と経済室の方2名、市役所の方3名と池谷集落の民宿かくら にて懇談会が行われました。
何でも経済産業省の方々はお米を作る過程を知るために農作業の体験や農家の方のお話を聞きにいらっしゃったそうです。
今回地元からは実行委員会代表の浩史さん、実行委員会の今村さん、生産者として橋場さんと津倉さん、そして地域おこし協力隊の私が出席しました。
色々なお話がありましたが、今回農水省ではなく、経済産業省の方がいらっしゃったという事が画期的な事だというのが地元の方の感想でした。
「現在は制度破綻をしている」という話が国の方から出てくるなど、結構突っ込んだ話がざっくばらんにできたのも良かったです。
今回の懇談会で感じたのは、日本は今本当にやばい状態になっていて、国も何とかしなければならないという風に考えて色々と試みようとしているという事です。
また、こういった時に国を良くしていくためには、全国一律で制度を変えるといったトップダウンではうまく行かず、各地域で現場で草の根で頑張っている取組みが全体に広がっていくという事が必要であるという話も出てきました。
そういう意味ではやはり池谷・入山での活動でしっかりと持続可能な集落をモデル的に作っていく事が非常に大きな意義を持っていると感じました。
狭い範囲の中で、顔が見えるコミュニティの中ででもきちんと生活に必要なものが自給でき、資源循環されるという事ができれば、現代社会の色々な問題が改善していくと思います。
顔が見えるコミュニティが復活すれば無差別殺人のような犯罪も起こりにくくなるでしょう。集落では皆家や車に鍵をかけたりしませんが誰も盗みは働きません。もし、池谷で泥棒を働いたらその地域に住めなくなります。
また、狭い地域で資源循環されるという事が実現すれば、環境問題の解決にも大きくつながっていくことになると思います。
とはいえ、このような持続可能な集落を作っていくのに欠かせないのは後継者となる人です。
過疎の地域では生活が成り立たないという理由で若い後継者は皆都会に出てしまっています。
農村を捨てて都会に出た若い人たちが工業製品を作り、それを輸出する事で日本は経済的に豊かになってきました。
しかしながら、日本では高品質な工業製品を輸出する代償として、お米が余って減反をしているにもかかわらずミニマムアクセス米を輸入しています。
農家の方曰く
「高度経済成長で農村がおかしくなった」
「国の政策は全部農家にしわ寄せがいくような政策だ」
実際、過疎地の農村の生活は経済的に大変厳しく、皆兼業農家です。
今は年金と農家の収入で暮らしているという方がほとんどです。
という事で地方の過疎地の人は経済的に成り立たせるために町場に出たがります。
反対に都会の人達は池谷に来ると「こういうところに住んでみたい」と言う人が多いです。
ただ、実際に住むとなると「今の仕事を辞めて池谷に住むのはハードルが高い」と言う人が多いです。
生活さえ成り立てば池谷に住んでくれそうな人は結構多くいると思います。
生活を成り立たせるためには
①経済力をつける
②自分達で生活に必要なものを作る
の二つの方法があると思います。
個人的には過疎の地域に移住する人を増やすためには目先としては①の経済力が必要ですが、長期的には②のように集落の中で生活に必要なものを自給できるようになっていく事が大切であると思います。
生活に必要なものを自給するというのはエネルギーの自給も考えています。
そうなるとやはり投資が必要になりますし、完全に自給できるようになるまでは住む人はお金が必要です。
なので、お米の直販や集落で農作業体験イベントなどを行う事を通じて収入を作る事は当面行いつつも、得られた収益の一部は将来の自給社会構築のための投資に回すという事が必要だと思います。
今回の懇談会で色んなお話をして、改めてこういう方向性は間違ってなさそうだと思いました。
そして、池谷集落で顔が見える範囲の規模で循環した生活が成り立つような地域社会(コミュニティ)の構築今後取り組んで行きたいと改めて思いました。

多田朋孔

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